高齢者は粗食がいいのか?

 

前項からの続きとなりますが、高齢者が食べ過ぎの状態でカロリー過多になると、若い人よりも体脂肪となって蓄積されてしまう率はかなり高いものになります。

 

若い頃と体重が殆ど変わらない場合でも油断できません。それは、高齢者は若い頃よりも筋肉量が減少しているからで、その代わりに体脂肪が増えており、単に数値としての体重が同じであっても、体内の状態、つまり体脂肪率は相当違ってきているのです。不規則な食生活をしていても肥満につながります。

 

さて肉といえばまずはコレステロールが高い、ということが指摘されるでしょう。対して魚はコレステロールが低くて中性脂肪を下げてくれる、の思いがあるでしょう。ここだけを単純にピックアップするのは少々乱暴な話かもしれません。

 

実は特に肉を控えた方がお勧めとなるのは一番太りやすい40代、50代の人なのです。40代、50代は高齢者である、とするものではないはずです。これより高齢者になると、確かに更に基礎代謝量は減るかもしれませんが、それに伴って食が細くもなっていっているのです。

 

つまり、食が細くなっているのに粗食にするわけで、それでは栄養不良に陥りやすいことになります。高齢者こそ動物性たんぱく質を摂ったほうがよい、と肉食を勧めることはけっして暴論ではなく、実際にそれを進める専門家も少なくないのです。