高齢者の食事と肥満

 

一般的には年をとるにつれて、食材では肉を少なくして魚を食べ、更に野菜中心の比較的あっさりした料理を勧められる傾向があります。結局これはカロリーやコレステロールの摂取過多という点が注視されているからです。

 

確かに高齢者が肥満状態、特に内臓脂肪が増えてしまったら、健康面でのいろいろな障害が出る恐れはあります。

 

肥満といえば単に体重が重い、見た目が太いなど限定した面を気にしがちです。理論的に生活習慣病との関連からすれば、体脂肪が必要以上に増えた状態ということになります。

 

体脂肪自体はエネルギーを貯蔵するもので、内臓保護の役目もあり、生命活動に必要不可欠なものです。問題は体脂肪が必要以上に蓄えられてしまうことで、これだといろいろな悪影響を及ぼします。

 

そして体脂肪は加齢と共に増えていく傾向があるので、そこから高齢者の肉離れがテーマになったりするわけです。

 

高齢になるほど基礎代謝量(生命維持活動に最低限必要の消費エネルギー)は減少していきます。基礎代謝量の中でも筋肉はエネルギー消費の大きな割合を占めています。加齢と共に筋肉も減少していくので基礎代謝量が減るのは当然なのです。

 

年をとると運動量も次第に減っていくものです。こうしてほとんどの高齢者の筋肉量は減少します。それなのに若い頃と同じような食事をしていたら、確実に食べ過ぎの状態で、カロリー過多となります。この食事の元凶に肉が挙がっているのです。